「爺ルーズ」という安保法制反対のデモ・グループまで
現れたようだ。
まあ、爺さんならいいだろう。
もう「現場」で働き終わって、カネも時間もあるのだろうから。
ママさんの反対グループもあるようだ。
彼女らも家庭という「現場」があり、働く「現場」もあるの
だろうから、いいだろう。
一番問題なのは学生である。
学生は「現場」を持たない。
「現場」を持たない若者は、「純粋まっすぐ君」であり、
未熟なだけで、生活を自力で成り立たせる能力がない。
この格差社会の中で、近い将来、貧困層に属すること確実な
若者を、大人たちが「政治に目覚めた」と褒めそやしながら、
利用することは問題なのではないか?
わしもズルい大人の一人だから、若者のデモに一定の評価を
与えてきた。
利用できるからである。
だが間もなく法案は強行採決で成立するのだろう。
かつて薬害エイズ運動を総括した『脱正義論』で、わしが
若者に嫌われることを覚悟で、「日常に帰れ!」と呼びかけた
ように、大人たちは彼らの将来を心配せねばならぬ時だろう。
薬害エイズ運動はもう20年前になる。
あの頃と比べたら、今の経済状況の厳しさ、貧困層拡大の
顕著さ、非正規雇用の過酷さは、愕然とする有り様だ。
学生は政治デモをするような余裕はないはずで、国のため、
社会のためより、自分のためだけに食っていく方法を必死で
考えるべきである。
本当に優秀な学生は、そうしているはずだろうが、
「国のためより、自分のため」が今の学生の心構えであり、
大人が利用するのはズルである!